ケアホームいちばんぼし施設整備事業

 

金沢市内、犀川沿いに建設された重度障害のあるひとびとが入所するケアホーム(共同生活介護施設)です。
入所者が通う作業所が隣接しており、通所には便利な立地ですが、ケアホームも施設(作業所)の延長線上の雰囲気になりがちです。この建物は介護のためだけの施設ではなく、あくまでも入所者(生活者)にとって「家」(住まい)であって欲しいとの願いから計画は進められています。
構造は石川県産材の杉を採用した木造(石川県産材)とし、床や建具、家具など、身体に近いところには無垢の木材を用い、やさしいディテールの採用につとめ、木の香りのする暖かみのあるやさしい空間としています。
シンプルな動線計画とし、玄関からかならずリビングを通って自分の部屋等へ移動するようにしており、孤立感がないようにしています。キッチンに立つスタッフから玄関が見通せるようにして、朝は「行ってらっしゃい」、夕方は「お帰りなさい」と声かけできるしつらえとしています。お互いの気配を感じあえる距離感を大切にしています。個室は大半の部屋が川に面し、残りの部屋は公園の緑を楽しむことができる配置としています。
入所者にとってここちよく、スタッフにとっては動きやすく使いやすい建物とするため、設計時から工事中まで何度もスタッフと打合せを重ね、時には通所者にも参加してもらい、配置や寸法などの確認作業をおこなっています。
長く使ってもらうため、なるべく特殊ではない一般的な建材を採用しながら、メンテナンスの容易性に配慮した計画としています。

主用途 障害者共同生活介護施設
工事種別 新築
延床面積

1309.71平方メートル

規模 地上2階
構造 木造(準耐火構造)