能美市立辰口保育園 2011年

 

かつて地域住民の重要な足であった鉄道が廃線となり,道路(ヘルスロード)に整備されました。

建物はそのヘルスロードに面した敷地に計画され,周辺は正面および側面には新たに造成された住宅地および既存の住宅地,背面には比較的ヴォリュームのある文化施設、もう一方の側面には田園が広がっているといった地方都市郊外の典型的な風景となっています。
周辺環境と馴染むよう,周囲と連続するようにヴォリュームをもたせた建物・配置計画とし,通りに沿って桜並木を設けることにより,途切れていた桜並木を再生し連続させ,素材にも配慮することで周辺環境に寄与しています。

雨や雪の多い地域性から,軒の深い意匠として中間領域をふんだん設け,天候がすぐれなくても遊べる半屋外空間を用意しています。軒のある屋根の意匠とすることで建物の耐久性向上にも配慮しています。屋上には中庭空間と一体となったデッキスペースを設け、上部から保育室や遊戯室を見ることができるようにしています。遠く鶴来山系を望むこともできます。
内部は光と風を取り込んだ計画,ぐるぐる回れる回遊性のあるプランとし,使い方を限定しない,先生や子どもたちがいろいろな遊びを創造できるような変化のある空間やしかけをちりばめています。

あたたかみのある素材の採用に努め,木軸の構造材や壁材には地元産木材を使用し,四季を感じる植栽計画,学習効果を兼ねて探して触る楽しみのあるサインを地元のアーティストと一緒に製作・取付しています。
園長先生や現場の先生と何度もワークショップを重ねて建物はつくられています。

主用途 保育園
工事種別 新築
延床面積

1,940平方メートル

規模 地上1階
構造 鉄骨造・鉄筋コンクリート・木造

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